
米銀にとって、決済処理での一番大きな課題はなにか。それは不正、と回答した銀行は53%となっている。ついで法人顧客が課題と回答した銀行が23%、規制強化が課題としたところは23%だった。
911以降テロリスト対策が強化され、マネーロンダリング防止にかかる業務変更とシステム投資が急増している。銀行の決済コストはいままで以上に高くなる傾向だ。
新たなチャレンジでは、今後6カ月から1年以内に携帯向けのビジネスバンキングサービスを導入する、と回答した銀行は39%になった。
このモバイルバンキングは消費者向けではなく、企業向けのビジネスバンキングサービスである。すでに導入している銀行は10%だけ。
消費者向けのモバイルバンキングを2010年までに提供する銀行は57%ある。消費者向けよりやや少ないが、法人からもモバイルバンキングを提供してほしいというニーズが強まっているようだ。
ソーシャルネットワーキングをビジネスバンキングに採用したい、と考えている銀行は23%あった。調査したのはFundteckで、米金融機関53社から回答を得た結果である。
シティバンクが米国で地域密着活動を展開する。ブランドイメージの再構築と、マーケティングを兼ねてのキャンペーンだ。
「われわれの約束(Our Promise)」というのがキャンペーン名称。既存顧客と地域コミュニティに対し、銀行からの強力なコミットメントを発表した。
ID盗難を防ぐことから、友人紹介をした顧客にキャッシュバックする、資産管理のサポートをするということまで、シティバンクの約束を明確に打ちだした。
とともに、テキサス、ミッドアトランティック、ボストン、イリノイ、フィラデルフィア、フロリダなどの支店でイベントを実施する。
6月12日にはこれらのほとんどの支店でファミリーデイのイベントが企画されている。
国際展開をしているシティバンクではあるが、まずはローカルから顧客との関係を強化していく方針だ。
米国で金融サービスを提供するリアル店舗が新たにスタートした。名づけてマンゴー(Mango)マネーセンター。1号店はテキサス州のオースチンに開設した。
提供するサービスは、プリペイドカード、送金サービス、公共料金支払など。25歳〜35歳で年収6万ドル以下の世帯やヒスパニックが対象。
立ちあげたのは、プリペイドカードのNetSpend(ネットスペンド)を創設したSosa兄弟。今後1年以内にメトロポリタンエリアで10店舗ほどを開設する予定だ。
従来の販売代理店を通してのプリペイドカードサービスではなく、リアル店舗を構え、顧客に直接アプローチしていく。
ウェルズファーゴは、米国グリーンビルディング協議会が推進する効率性の高い次世代建築物プログラムに適合する支店をオープンした。
米国における商業ビルや住居用ビルが消費する電力量は、米国全体の65.2%に相当。温室効果ガス排出量の約30%になるという。
ウェルズファーゴは、同協議会が推進しているLEED(Leadership in Energy and Environmental Design)という評価制度のゴールド評価に適合した支店を、サンフェルナンドバレーに開設したのである。
新しい支店は、太陽光によって光を適正化するシステムを採用。20%までエネルギー利用を削減できる。その他、いろいろな部位にエコロジー思想を取りいれている。
断熱材はデニムに利用されたリサイクルのコットンを使用。カードやカーテン、カウンターの表面などはすべてリサイクル製品。水の利用を40%まで削減できる節水型配管を使用。
ウェルズファーゴは、環境に配慮した企業イメージの浸透に注力している。
米金融機関はエコロジーとコスト削減をかねあわせたキャンペーンを実施している。そのひとつが電子利用明細と封筒レスATM入金の推進だ。
米ウェルズファーゴの発表によると、Save Treeのマイルストーンにしていた10万本を達成した。加えて、植林を推進するArbor Day Foundationへ3万ドルを寄付した。
2006年に電子利用明細をスタートして10万本達成まで約4年かかっての達成だ。
金融機関のエコロジー運動は今後排出権へも広がっていきそうだ。
英決済機構はWeb上でエリア別の決済動向がわかるサイトを立ちあげた。カーソルを英国の各エリアに合わせると、カード保有率やインターネットバンキングの利用率などがわかる。
英国平均のプラスチックカード保有率は92%。南東部のエリアは97%で最高。中西部は逆に86%と最低になっている。
インターネットバンキング利用率の平均は53%。南東部は59%で最も高く、北東部は46%と低い。
この調査でエリア別の決済トレンドがわかるとともに、長期の決済トレンドもわかる。デビットカードの利用が増え、インターネットバンキング利用率が増えている。逆に小切手の利用は減少傾向。
決済動向の地域性を把握すれば、そこで何が必要かわかる。住民のニーズをいかに捉えることができるかが重要だ。
米FDIC(Federal Deposit Insurance Corporation)は銀行口座をもたない世帯と非利用世帯の調査を実施した。目的は、銀行口座をもたない人(アンバンクド:unbanked)や銀行口座は保有しているが他のサービスを利用している人(アンダーバンクド:underbanked)の実態を把握しようというもの。
調査の結果、米世帯の25.6%が銀行口座の非利用世帯だということがわかった。内訳は、銀行口座をもたない世帯が7.7%、銀行サービスを利用していない世帯が17.9%だった。
銀行口座をもたない世帯は900万世帯、成人人口では1,700万人。銀行サービスを利用していない世帯は2,100万世帯、4,300万人の成人となる。
日本もワーキングプアーと呼ばれる人たちが年々増加している。その実態を把握し、利便性の高い金融サービスを提供することが大切だ。電子マネーなどのプリペイドカードはその解決策のひとつである。
米国のダイレクトメールの31%が日々の金融サービスを促進するリウォーズ特典だということがわかった。米マーケティング会社のミンテル(Mintel)の最新レポートから。
これは2009年の第3四半期までの結果。2007年は13%が日々の金融サービス促進特典だった。それだけ、米金融機関は高額商品から利用頻度の高いサービスに注力しているということ。
このアイデアはクレジットカード発行会社のプロモーションにヒントを得たもの。シティのリウォーズプログラム「サンキューネットワーク」は業界を革新したサービスだ。
これをヒントに、小切手口座の利用や、デビットカードの利用促進の特典をダイレクトメールで告知している。大不況でリテールバンキングの販促は生活に密着した商品やサービスになってきた。
ユニークな地域密着戦略を展開する米アンプカ銀行(Umpqua)は、景気低迷にあえぐ顧客を元気づけるキャンペーンをはじめた。
名づけて「Save Hard. Spend Smart(しっかり倹約、賢く消費)」顧客の倹約、節約志向をみごとに捉えたキャンペーンだ。
そのために特別Webサイトも立ちあげた。このWebサイトを通じ、バーチャルな金融支援や倹約のアイデア提供、金融教育イベントなどを推進する。
たとえば、「Sweet Saver 口座」小切手口座からこの口座に毎月自動的に50ドル積み立てると、2010年4月まで毎月10ドルのボーナスをプレゼントする。
「Pass The Cash(現金パス)」ツールは、友達や家族の倹約を支援する。2009年8月28日までに家族や友人がSweet Saver口座を開設し、月間残高50ドル以上であれば、その口座に10ドルプレゼントする。
サイトにアクセスすると、小さな蝶が「あなたの節約IQはいくら?」と問いかける。バーベキューセットを安く購入するのは「晴れの日」それとも「雨の日」?などのおもしろい質問だ。
いま米金融業界では、最悪の場合、全米の失業率が何%くらいになるかという話題でもちきりだ。というもの当初予測していた10%を超える恐れがでてきたからである。
多くの金融機関は最悪の失業率を10%と想定して、収益予測をたてている。失業率がさらに悪くなれば、収益におけるマイナス幅を増やさなければならなくなる。
この6月の全米失業率は9.5%で、1983年以来最悪の水準になった。
米労働局に6月報告によると、すでに10%を超えた州は15州もある。
最も高いのはミシガン州で15.2%、ついでロードアイランド州が12.4%、オレゴン州12.2%、サウスダコタ州12.1%、カリフォルニア州11.6%と続いている。
失業率はクレジットロスに直結する。特に消費者やスモールビジネスを対象にしたローンやクレジットカードが大きな影響を受ける。
あるアナリストの予測によれば、失業率が10%から12%になれば、大手金融機関のクレジットロスは25%から67%増えるという。
失業率の継続的悪化は、景気と消費の弱さを予測する指標にもなる。いまの状況からいえば、米国経済の回復にはまだしばらく時間がかかりそうだ。
2012年までかかるかもしれないというアナリストもいる。
米金融機関はリセッションでコスト削減に懸命だ。マーケティング費用、リクルーティング費用、IR費用などは真っ先にコスト削減の対象になった。
とはいうものの、これらの起業活動は不可欠。そこで、米金融機関は活路をソーシャルメディアやブログなどWebに求めている。
Webメディアは、コストをかけずに効果をあげられるからだ。
ネバダ州のファーストインディペンデント銀行では、地域経済の活性化をめざし、ベンチャーのためのアイデアをつのるサイトを立ちあげ、ネバダ州北部を景気回復地帯にしようと訴える。
この4月にサイトを立ちあげてから、4万件のアクセスがあり、19ページにわたるアイデアが提出された。
この間、銀行では新規口座数を10%拡大できたという。
米インターネット利用世帯の5世帯に4世帯がオンラインバンキングを利用していることがわかった。金融業界へe-commerceや情報を提供しているFiservの調査。
米国でインターネットを利用している世帯は8,820万世帯。そのうち6,970万世帯がオンラインバンキングを利用している。
残高の確認、利用履歴、口座間送金などがオンラインバンキングの利用内容。なかでも、請求書支払いが急伸している。
オンライン請求書支払いを利用する人は、その銀行のロイヤルティが高いこともわかった。49%のオンライン請求書支払い利用者は、銀行を変更したくないと回答。これは昨年の43%より6ポイントアップ。
オンライン請求書支払い利用者の67%が自分の銀行を友人や親戚に紹介すると回答している。
米オンラインショップ大手の支払手段の実態がわかった。
トップ100社の2008年売上高は986億ドル。米オンラインショップ総売上の55.4%を占めた。前年対比12.4%増。これは大手オンラインショップにシフトしていることを意味している。
多様な支払手段を揃えることは、顧客を最終購入に踏み切らせる重要なポイントだ。トップ100社はどのような支払手段を用意しているのだろうか。
トップ100社のうち4種類の決済手段を採用しているのは87%、5種類以上が72%、8種類以上は11%あった。
その中で新決済ソリューションを採用しているところは以下の通り。PayPalが35%、ビルミーレイターは31%の企業が受付けている。いずれもイーベイグループの決済ビークルだ。
ついでグーグルチェックアウトが12%、eCheckが9%、eBillmeが4%、そしてリボリューションカードが2%となっている。
顧客に支持されているからこそ、ショップは新決済ソリューションを採用せざるを得ない。というより、新しい決済手段の方が利益をあげられるという事実がそうさせている。
オンラインショッパーの45%が過去3週間の間に何回もカートを放棄していることがわかった。
PayPalの調査によると、米ショッピングカートに入れた商品放棄の平均額は109ドルにもなる。
放棄理由のナンバーワンは、高い配送コストで46%もいた。カート放棄を阻止するために、もし配送コストを負担していれば、40%は購買を完了した可能性があるという。
オンラインショップにとって機会損失をなくすことが収益アップにつながる。
配送コストを自店で負担し、セキュリティを考えた多様な決済方法を用意することが重要だ。
ビザやマスターカードはカードからカードへ送金できるサービスに注力しようとしている。
マスターカードはこの6月米国でマネーセンド(MoneySend)をスタートする。友人や家族のカードに送金できるサービスだ。
平均送金額は50ドル以下。当初すべての取引は携帯電話でできるようにする。ただし、クロスボーダーでの送金はできない。
テスト段階では、マネーセンドは送り手も受け手もプリペイドカード保有者であることが前提。最終的にはプリペイドカードだけでなく、クレジットカードやデビットカードにも拡大する。
Card2Cardの送金は新しい商品。日本では資金決済法が制定されると送金ビジネスの規制が緩和され銀行以外でも可能になる。カード会社には新たな収益源となるだろう。
今回の金融危機を招いた欧米の銀行に対して、消費者や法人顧客はどう感じているのだろうか。S1エンタプライズが今年4月に調査した結果が発表された。
銀行との絆をスコアで評価。75ポイント以上が強い絆、60ポイントから74ポイントはニュートラル、60ポイント未満はリスクの高い関係になる。
欧州の銀行との絆スコアはなんと27.7で、関係は劣悪。70%強の人が銀行に対するロイヤルティをなくしている。
欧州の銀行はいまだ不良債権処理が終わっていないといわれている。国有化を免れるため必死て抵抗している銀行が多いが、利用者の信頼はすっかりなくなっているようだ。
いっぽう、米国の銀行と顧客の絆スコアは55.3%で、欧州の顧客よりましだった。しかしニュートラル以下で、信頼関係にひびがはいりかけている状態。税金を投入してまで救おうとしている銀行に対し、冷たい視線を送っているようだ。
それを表す数字として、欧米の銀行に信頼度を感じている人は、わずか9%だった。信頼を回復するのは並大抵の努力ではたりない。
なるほどな、と思った。米国では警察署にATMを設置して話題になっている。ATMにからむ犯罪を阻止できるからだ。
ATMから現金を引出した直後に盗難に遭う。振込め詐欺はATMで送金をさせる。もっとひどいのになると、ATMごとブルドーザーでかっさらうという大胆なものもある。
そのATMが警察署の中にあれば、盗難や振込め詐欺もなくなるというもの。
米ミルウォーキー州の警察署では、署内にATMを設置した。そのアイデアは、駐車券の購入のために、署内キオスクで待っている人々の列を見ていたことから生まれた。
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